2020年4月25日土曜日

靴下にSURIMACCA!小さい素材に刷る時のポイントをご紹介します

オンラインお店に最近登場したくつした
せっかく自分で作るんだから、ちょっと変わった位置にシルクスクリーンをしてみよう!
ということで出来たのがこちら。


(かかと側に刷ったつもりが間違えて前側に…)


くつした、小さいから簡単&刷りやすそうですよね!
ところがどっこい、必ず押さえてもらいたいポイントがあるのです。
まずは基本の注意点から。


上の図をご覧ください。
シルクスクリーンで気を付けてもらいたいのが、『版と素材との距離』
浮かしパーツは適切な距離を保つためのパーツなんです。
(※刷り方にもよりますので、浮かしパーツを付けた状態で浮きが
大きくなる場合は適宜外してください。)

続いては良くない例。
なぜよくないの?と聞かれると、
色々な要因があるのですが…やはり一番は
「インクがキレイに落ちない!」
ということでしょうか。

また、失敗の要因も沢山ありますので、
(刷る際の力の入れ具合や素材の凹凸などなど…)
このポイントさえ押さえておけば大丈夫!というわけではありません・・・
お気をつけください。

次に、くつしたのような小さい素材に刷りたい場合の注意点を図にしてみました。
フレームより素材が小さいと、浮かしパーツを付けていても版と素材が接してしまうのがわかるでしょうか?
(素材が版を押し上げるような形になります)

そういう時は、素材との距離を保つために
素材とフレームの両方の高さを調整してください。


今回のくつしたの作業中の様子です。
厚さ3mm程度の薄い板を重ねて台にし、靴下の中にも
1枚いれて高さを合わせています。
高さを調節する時は、生地の厚みも考慮するのをお忘れなく!



以上、くつしたに刷る際の注意点でした。

その他に気を付けていただきたい点はというと、
靴下のような伸縮性のある生地(リブ素材)は蛇腹状になっています。
ですので、刷った後にうにょーんとめいっぱい生地を伸ばすと…


こんな風に絵が割れて見えてしまいます。
リブ素材の場合はどうしても避けられませんので、
自分で好きな場所に刷れるけど、こういった特徴もあるということで
覚えておいてください!


以上、JAM LABでした~!

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JAMLAB

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こちらからお問い合わせください。
omise@jam-p.com





2020年4月16日木曜日

4色分解!いろんなインクでフルカラーを再現

シルクスクリーンでも写真をカラフルに印刷できます!
「4色分解」という方法で、版をC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の4つに写真をわけます。

今回は下の写真をSURIMACCAインクを使ってフルカラーっぽく再現してみます。CMYKごとで似た系統のインクをいくつか試してみました!



ちなみに製版データはこちら↓


※イメージ※


Mサイズの版に2枚入るように調整して、位置合わせのためにトンボをつけました。

さっそく印刷してみました

Y(イエロー系)黄色系のインク
M(マゼンタ系)赤系のインク
C(シアン系)青系のインク
K(ブラック)黒またはその他おいてみたいインク
の順番で刷ってみました。
たくさんパターンができたので、今回は写真メインでたっぷり紹介していきます!実物と画面で若干色味が変わってしまいますが、ご了承ください…。

◇C(ミント)M(ネオンピンク)Y(イエロー)K(ブラック)

はい!元画像と比べるとかなり色味が変わりました。
淡い暖色系の仕上がりに。なんだか懐かしいレトロな感じになりますね。


◇C(ブルー)M(ネオンピンク)Y(ネオンイエロー)K(ブラウン)

ズレたネオンイエローが目立ちますが、、、どのインクもきれいに発色してバランスの良い仕上がりです!


◇C(アクア)M(コーラル)Y(ネオンイエロー)K(ブラック)

アクア×コーラルというパステルな組み合わせ。
この2色が淡い分、蛍光色のネオンイエローが強い!K版のブラックも目立ちます。


◇C(Umi)M(コーラル)Y(ネオンイエロー)K(ブラック)

こちらもネオンイエローがズレた~泣
umiはネイビーとブルーの中間のような色です。深めの青で、アクアとは全然違う雰囲気になりました!


◇C(ミント)M(レッド)Y(イエロー)K(ブラック)
マゼンタ系をレッドにすると、これまでのものとかなり違う仕上がりです。イエローがレッドに負けないくらいしっかりした発色なので、なんだか全体的にパキッとしました。

インクの組み合わせで、とっても仕上がりが変わりますね。
好きな色をひとつ選んで組み立ててみたり、全体の雰囲気を想像しながら選んでみたり、イメージするだけでも楽しい。


おまけ1

ちなみに、4版中3版だけ刷るとこんな感じになりました。

◇C(ミント)M(コーラル)Y(イエロー)K(ー)


◇C(ミント)M(ラベンダー)Y(イエロー)K(ー)
今回の写真はK版部分が少ないため、仕上がりは4色とあまり変わらないような…。3色でも版が重なることで、影や黒の部分は暗めに表現されます◎Kの版をいれるとさらにカチッとした感じになるかと思います!


おまけ2


ちなみにちなみに、4版中2版だけ刷るとこんな感じになりました。

◇シアン×イエロー

2色でもインクの組み合わせでかなり雰囲気がかわりますね。
ネオンイエローは蛍光色かつイエローにくらべて透明度が高いです。反対に、黄色を強めに出したい!なんてときはイエローが活躍しそう。


◇シアン×マゼンタ

ビビッドなネオンピンクとパステルなコーラル、どっちもかわいい◎
ほかにもレッドやTAIWANなど冒険してみてもおもしろそう。
2版だけでもどんな写真なのかわかりますね。4色でなくとも味のある印刷ができました!

おわり

元の写真と全く同じ色は再現できませんが、SURIMACCAインクの組み合わせ方で無限に遊べちゃいます!時間がたっぷりあるときにはぴったりの実験です。もちろん1色でもお手軽で楽しいですよ!
写真によって色の出方や仕上がりも変わるので、参考程度に見てもらえるとうれしいです。

作業中、4版分を刷る際の位置合わせがちょっと大変でした。
これはまた別の機会にご紹介したいと思います!


写真データを4色分解する方法はSURUTOCOのページでご覧ください!

■シルクスクリーン用4色分解データを作成しよう!
http://surutoco-lab.blogspot.com/2019/01/blog-post_15.html
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2020年4月10日金曜日

線数実験で遊んでみた



「線数を変えると印刷の雰囲気はどう変わるのか?」
というお問い合わせがあり、これは実験だ!JAMLABだ!
ということでさっそく線数実験で遊んでみました。



























今回実験するものはグレースケール化した写真データとパスデータ。
このデータそれぞれを

・そのまま印刷
・線数100
・線数60
・線数25

の4つに処理し、実験していきます。写真の解像度は200dpi、版のメッ
シュ数は120メッシュ。使用する素材は紙と布の2種類です。


線数の変更の仕方は画像データをPhotoshopで開き、

イメージ→モード→モノクロ2階調→ハーフスクリーントーン→線数入力

の流れで変更します。





























上の写真の処理→製版→印刷の流れです。
まずはグレースケール化した写真データの紙と布の一覧から見てみまし
う。

・紙



・布

パッと見では線数100と線数60のドットの見え方の違いはあまりわかりま
ん。
布より紙の方が違いがわかりやすいので、紙に刷ったものをそれぞれアッ
プで見てみましょう。





こう見るとそれぞれの違いがわかりやすいです。
線数を設定する際にモノクロ2階調に変換するので、グレースケールのもの
よりも線数を設定したものはコントラストがハッキリします。

また、線数同士を比べてみると線数100と線数60は線数100の方が濃度が濃
く見えます。(刷る際の力加減でも変化しますが...)
しかしドットの見え方はあまり違いがない気がします。

逆に線数100と線数25はドットの違いがわかりやすいです。線数25はドッ
トがハッキリ見え、トーンのような仕上がりになってます。

次はパスデータの一覧を見てみましょう。

・紙

・布

これは写真よりもさらに違いが分かりにくいですね!
紙と布の違いもあまり分かりません。
先ほどと同様、紙に印刷したものをアップで見てみましょう。






アップにしてもわかりづらいですが、若干ですがパスデータに比べて線数
100、60は文字の輪郭が滑らかではない気がします。線数25までくると
ットがわかりやすく、余白も見えます。
ですが、グレースケール化した写真データよりも違いはわかりにくいです。


まとめ

【グレースケール化した写真の場合】
・グレースケールをそのまま製版したものよりも、線数設定を加えたものは
モノクロ2階調に変換するためコントラストがハッキリする。

・線数の差が大きいとドットの違いは分かりやすいが、線数の差が小さいと
シルクスクリーン特有のにじみでドットが潰れて違いが分かりにくい。

・線数25ぐらいになるとドットがハッキリと見える。


【パスデータの場合】
・写真データに比べてドットの違いは分かりにくい。

・線数25ぐらいに設定するとドットと紙の余白も見える。

といった結果になりました。

また補足で注意点ですがグレースケール化した写真の線数を変換する際に、

線数を変換→線数を変換した写真を縮小して配置→製版

の流れを行うと



こんな感じになってしまいます!
線数を変換→線数を変換した写真を縮小して配置 を行うとこのようにチェ
ックのようなモアレのような仕上がりになってしまうので、写真の縮小をか
ける場合は線数を変換する前に縮小しておきましょう。

いつもと趣向を変えて線数で遊んでみるもの興味深いですね。
以上、JAM LABでした~!

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