2018年12月30日日曜日

細い線や文字は刷れるのか?!- 紙編 -

細かいデザインはどこまで刷ることができるの?
実際に原稿を作る際に気になるポイントですね。

この線はしっかり出したい!
白抜きの文字は見える?
メッシュ数の違いでも変わってくるの?

などなど、質問をいただくことも多いポイントを今回は実験していきます!
ちなみに今回の実験は「紙編」。
「布編」はこちらを参考にしてください↓

それでは実験開始~

まずはこんなチャートを作りました。

このチャートを使ってメッシュ数を変えながら刷っていきます!

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まずはメッシュの違いについて、おさらいしましょう~
<70メッシュ>
布にしっかりインクを落としたいときにおすすめです。
メッシュが粗く、紙に刷るとメッシュの模様がでてしまうこともあります。

<120メッシュ>
網目が細かいので、細い線が出やすい。
細かい図案や紙にはこちらがおすすめ。
SURIMACCAインクはこちらがおすすめです。
※金銀銅ホワイトを除く

もっとく詳しく知りたい方は↓こちらを見てくださいね

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ではまずは120メッシュで厚紙「しろ」に刷っていきます。
【黒線】
細い線は、0.1ptまで出てますね~
ただ1pt以下になると線の太さがまちまちだったり、かすれる部分があったり。
パキっとは出ません。

【白抜き線】
1ptがぎりぎりでました。0.5ptは途切れ途切れでなんとか…。
0.25pt以下については線どこいった…。インクで潰れてまったく見えずです。

【黒文字】
5ptまでは読めますがそれ以下となると厳しめ。
フォントや文字の太さによっては6ptでも読めない文字もありそう。

【白抜き文字】
全然読めない!!!
予想以上に潰れてしまいました。
12ptのゴシック体は読めますが、明朝体になると消えてしまう線が出てきます。
12ptでも線を太くしたり、フォントを工夫する必要がありますね。


続いて、70メッシュで厚紙「しろ」に刷りますよ~
【黒線】
細い線は120メッシュよりも波打ってしまいました。
インクがよく落ちている部分とかすれてしまう部分の差が激しいです。

【白抜き線】
線の部分にもインクがのってしまってヨレヨレの線になりました。
120メッシュでは1ptも刷れましたが、70メッシュでは厳しいですね。

【黒文字】
こちらもインクがのりすぎてパキっとは出ませんでした!
8ptでも読みにくいですね…。

【白抜き文字】
120メッシュよりもっと読めない!
しっかり読めるようにするには120メッシュで工夫した方がよさそうです。

【厚紙しろ】120メッシュ/70メッシュ

【ペラ紙クラフト】120メッシュ/70メッシュ

同じptでもメッシュ数を変えるとかなり差が出る結果になりました。。。


【実験結果】
💡紙に刷るときは120メッシュがおすすめ!
💡線は1ptでもかすれたり出ないことがあるので、
パキっとだしたいときはそれ以上の太さに!
💡白抜き線・白抜き文字は、潰れる可能性が高い!
文字を読めるようにするにはフォントや大きさを工夫しましょう!

※aiデータでの結果になります
※刷るときの力の入れ具合や、重ねて刷ると実験結果とはまた違う結果になります。
あくまでも参考までに考えてくださいね!
↓がその例です。

⚠️⚠️補足⚠️⚠️
120メッシュでも刷るときの力の入れ具合や、重ねて刷ると潰れてしまいます!
 【厚紙しろ】120メッシュ成功例↓

【厚紙しろ】120メッシュ失敗例↓
失敗例は力が入りすぎた模様~。
数回刷ったあとも、メッシュにインクが詰まってかすれかすれになりました。。。

【厚紙しろ】120メッシュ成功例↓

【厚紙しろ】120メッシュ失敗例↓
2回重ね刷りをしたところ、まったく見えなくなってしまいました。
これは大失敗です、、、。
同じメッシュでもこんなに違う~!!

デザインが細かいとインクが詰まりやすくもなるので、
刷る際はさくさく刷ってくださいね!

2018年12月24日月曜日

写真って刷れるの?!

シルクスクリーンで写真のデータを刷りたい!
モノクロ写真をTシャツに…想像すると格好いいですよね。

データのグレー部分は、網点(ドット)での製版となります。
シルクスクリーンは手作業なので、(※業者さんは機械ですけどね!)
濃淡の表現が難しいんです!仕上がりが均一にはなりません。

では、実際に実験してみます。
元の写真がコチラ↓
このまま特に何も調整せずモノクロにします↓

製版した物がコチラ↓

よくわかりませんね。笑
刷ってみましょう!
お、意外とキレイに刷れる…(もっと潰れるかと思いました。)
アップで見るとこんな感じです。
小さな網点(ドット)になっています。孔が小さい分、インクの目詰まりに注意です⚠

良い感じかと思いきや、刷る時の力の入れ具合で仕上がりが変わります。
なすびが潰れて真っ黒に!
暗い写真は潰れそうですね。
では、他の写真も実験です!
こちらが元の写真
そのままモノクロに
仕上がりが1枚ずつ違いますね。
左上は割といい感じですが、左下は真っ黒!

次はコチラ!
モノクロに!
はいっ!
手のしわの感じがそれぞれ違います。
背景の暗い部分はやっぱり潰れがち。
 
次!これは暗い!暗いぞ!
モノクロに!
大分暗いです。

手の中がほぼ潰れますね。左上はまだマシかなぁ…
暗い写真は危険。

SURIMACCAおじさん
モノクロおじさん
網点おじさんになりました。

やっぱり力の入れ具合で仕上がりが違いますねぇ。

そして気を付けたいのが版の目詰まり!
網点は小さなドットの集合なので、薄いグレーの部分は特にインクが詰まりやすくなります。
手早く作業しましょう!

詰まりかけのおじさん…

実験結果、写真のモノクロデータは製版可能!
データによって潰れが出やすい!
刷る時の力の入れ具合で仕上がりはその都度変わる!
薄いグレーはインクが詰まりやすい!

です!!!!!

このブログを一通り見て『やってみたい!』と思う方はチャレンジしてみてくださいね。





2018年12月16日日曜日

画像解像度に要注意!

シルクスクリーン、せっかくなら綺麗に刷りたい!
刷るときに気をつけたいことももちろんありますが、その前に…
原稿を作る過程から要注意⚠️なことがあります!
それは、「画像解像度」

画像解像度ってなに?~
画像の密度を表す数字のことで、画像のきめ細かさを表します。
数値が高いほど綺麗に見えるデータということ。
反対に、数値が低いと粗いデータになります。

画像データを刷るときは、
画像解像度の数値によって仕上がりがかなり変わるということ!
いったい、どれくらい変わってしまうのか😞


くまさんのイラストで実験してみます~!!!

画像解像度の設定は、Photoshopだと「イメージ」から確認することができます。


入稿するときは、原寸サイズで300dpiに設定しましょう!!!

画像解像度の数値ごとにイラストを比較してみると↓こんな感じ
数値の低い左側のほうが、右側に比べてぼやっとした輪郭にみえますね。
50dpiのイラストを拡大してみると…



ガビガビだー!!!!!
滑らかさのかけらもないです…。
そして、真っ黒ではなくグレーがかっている箇所がありますね。

このグレーの箇所は綺麗に製版できません!
⚠️製版時に、網点(ドット)になってしまいます。⚠️

では、実際に刷ってみます!
まずは300dpiから。

はい、綺麗!ほとんどデータ通りに刷ることができました~

では次!100dpi

輪郭がギザギザに…。データがグレーになっていた箇所、少しドットが出ていますね。
特にテキストのフォントはすでにボロボロ…

最後!50dpiがこちら!!!
うわあ~!これはもはや違うデザインのようになってしまいました。
ガビガビです。文字の部分は別のフォントのよう…。




拡大してみると、めちゃくちゃドットの主張が強い…。

左 300dpi/右 50dpi

比較するとこんなに違う!

画像データを入稿するときは原寸サイズで300dpiに!
ちなみに、入稿はai/psd/pdf/jpgデータもしくは紙原稿でお願いします。
いちばん綺麗なのは、ai形式のパスデータですよ~

ご自宅で紙原稿をスキャンする!という方も、その際は高解像でお願いしますね!


画像解像度をマスターして、楽しくシルクスクリーンで遊びましょう~😊