2016年9月1日木曜日

原稿がグレーだとどう仕上がるの?

シルクスクリーン用の原稿を作成するにあたって、たまに聞かれる質問のひとつが
「原稿内にグレー部分があるんですけど、製版できますか?」

基本的に原稿は真っ黒で作ってくださいね!とご案内しているので、
どうしてもグレー部分ができちゃったんだけど…と心配されます。
実際、グレーでも製版自体はできますよー。
ただ、それの版を使って刷るときに、きれいに印刷が出ないという場合があります。
「きれいに印刷が出ない」とは?どうなっちゃうの?というわけで、実験してみました!


濃度の違う文字を並べた原稿を作ってみました。
それぞれの文字通り、100%はK100%、30%はK30%で作っています。

このデータを使って、120メッシュで製版してみます!









はい、刷ってみました。
素材は手ぬぐいのような、すこし粗めの綿の布です。SURIMACCAインクのブラック使用。

薄い部分は、やっぱりかすれたような感じですね。
100%部分はメッシュ全部に孔が空いているのに対して、薄い部分はまだらに空いているので、きれいに刷ってもかすれた感じに仕上がります。

使用インクそのまんまの色で仕上げたい!という場合は、やっぱり真っ黒K100%の原稿がおすすめです。


あえて濃淡をつけたい!という場合は、グレー部分があっても大丈夫。
ただし!レトロ印刷のシルクスクリーン印刷は、機械を使わず手の力で刷るので、力加減によっては印刷がにじんでしまい、濃淡がわかりにくくなる可能性も…。

また、薄い部分は孔自体が細かいので、インクが詰まりやすく、枚数を刷るごとにどんどんかすれてしまう可能性もあります。
そんなときは、まめに版を拭いてくださいね。




真っ黒な原稿を作るときに、ひとつ注意があります!
真っ黒に見えるデータでも、実はCMYKの4色を掛け合わせた、偽真っ黒データの場合が!
このまま製版すると、製版機がKの濃度しか読み取らないため、写真のようなデータの場合、なんとK70%として製版されちゃうんです。

カラーモードがRGBの場合も同様です。







色が混ざらないように、グレースケールのバーを使って作ると安心ですね。

特に明るいインクを使うときや、細い線がある場合は、濃度が薄いと見えにくくなってしまうので、なるべくK100%で作成し、
濃度はインク自体の色で調整するのがおすすめです!
インクは絵の具のように混ぜることもできるので、ぜひこだわりの色で、くっきりハッキリ印刷しましょう♪