2020年9月25日金曜日

「珪藻土コースター」に刷ってみた

シルクスクリーンの問い合わせで多いのが
「○○(素材)に刷れますか?」
というお問合せ。
今回は、そんな中でも個人的に気になっていた「珪藻土」に印刷してみました。

平らなコースターを手に入れる。

最近は100円均一でも手に入る珪藻土コースター。
便利ですね~。
ただ、お店によっては、すでに柄が入っていたり、
凹凸のあるデザインのものしか置いていないところもありました。
シルクスクリーンで印刷する場合は、なるべく平らなものを探しましょう。

今回はつるんとした白色のコースターと
すこし表面がボコボコしているシリーズの白色と灰色を見つけてきました。

刷る前の準備

2色刷りで2パターンの図案を考えてみました。
イメージはこんな感じ。
このイメージも刷るときに使用するので、プリントアウトしておきましょう。
ホルダーをつかって版を固定します。
イメージに近づけるために、先ほどプリントアウトしたイメージ図を
作業台に貼りつけ、それにめがけて版の位置を合わせていきます。

一色目の印刷

セッティングが完了したら、まずは一色目。



キレイに刷れました。
ただ、思っていたよりもコースターが軽かったのとブルーの版がベタ面だったため、
一枚だけ版を上げた時にへばりついてしまい、はがすタイミングでブレてしまいました…(右下の一つ)
ベタを刷るときはコースターの裏面をマスキングテープで留めるなどしておくと良さそうです。

乾燥させる

一色目が刷れたら乾燥させます。
自然乾燥で1時間ほどでも乾燥できましたが、
1~2分ほどドライヤーを使って乾燥させてもすぐに乾きました。

二色目を刷る

一色目がしっかり乾燥したら、二色目のセッティング。
二色目は透明シート(クリアファイルなどで◎)を使用して位置合わせしていきます。


刷るもの(今回はコースター)と、高さが同じぐらいの期の板を並べます。
透明シートをマスキングテープなどで木に貼りつけて、そのままシートに二色目を印刷します。


こんな状態。
この透明シートの下にコースターを置き、一色目との位置をコースターを動かしながら合わせていきます。



刷る前に透明シートはめくって、今度はコースターに二色目を印刷します。


ピッタリ!
イメージに近い仕上がりになりました~


同じ方法でもうひとつのデザインもキレイに印刷できました。
今回、文字は10ptぐらいで作成しましたが、にじみやつぶれも気にならない程度に仕上がりました。

素材に凹凸がある分、ベタの部分は印刷できていない箇所もできましたが、
それもいい感じに仕上がっています◎

肝心の吸水性は?

吸水性に優れている珪藻土コースター。
肝心の吸水性は印刷後も維持されているのか?
しっかり乾燥させた後に水滴をのせてみました。


やはり、ベタっとインクがのっている箇所はすぐに吸水してくれません。
(時間が経つと、インクがのりきらなかった凸凹の隙間から吸水して、水滴はなくなりました)
コースターとしての機能も重視される場合は、
ベタを控えたデザインにしていただくことをおススメします。

【番外編】削ればまた刷れる?

商品の説明書きに
『吸水力が落ちいてきた場合は、紙ヤスリで薄く表面を削ってください』
とある…
ということは、失敗したのも削ればまた刷れるのか?

おススメは400番台の紙ヤスリ、とのことでしたが、
手元にあったのが600番の紙ヤスリだったので削ってみました。


削りきれ…ない…
やはり染み込んだインクまでは簡単に削れないようです。

薄くはなったので、改めて刷りなおしてみましたがダメですね。


うっすらと残像がのこってしまいました。
くれぐれもセッティングは怠らないようにしましょう。(反省)


まとめ

もっとにじんだり、コースターとしての吸水性に問題が起きるのでは?
と思っていましたが、意外とキレイに刷れました。
お店のオリジナルコースターや、ちょっとしたプレゼントにもよさそう!
ぜひ試してみてくださいね~

今回使用したもの

【SURIMACCA専用製版】XSサイズ (今回は120メッシュを使用)
https://omise.jam-p.com/?pid=104745753
SURIMACCA ホルダー
https://omise.jam-p.com/?pid=101511368
SURIMACCAインク(ブラック)
https://omise.jam-p.com/?pid=100528374
SURIMACCAインク(イエロー)
https://omise.jam-p.com/?pid=100528444
SURIMACCAインク(ブルー)
https://omise.jam-p.com/?pid=101709192


----------

JAMLAB

この記事で気になった点や不明な点がある場合は、
こちらからお問い合わせください。
omise@jam-p.com

2020年9月18日金曜日

グラフィティアートごっこをしてみる

街中や郊外で見かけるグラフィティアート。

ラッカーで直描きするものもありますが、某有名アーティストのように
ステンシルを用いたものも多くあります。

一般的に用いられるのは型紙をカッターでくりぬいたステンシルシート
ですが、JAMの製版も同じように使えるのではないだろうか?
と、今回は実験してみました。

グラフィティ風作品をつくるぞー!


ラッカースプレーで印刷してみる


このデザインを刷るで~。



マスキングテープで版を板に直付けし、ムラやカスレも味だと思うので、
まばらにラッカーを振りかけてみました。
ら、


ぎゃー!イメージとかけ離れた仕上がりに!!!
スプレーのインクは水気が多かったらしく、木目にそってにじみすぎてしまう模様!
※シルクスクリーンで刷る場合にも、木目には要注意です!
薄めの部分はきれいに出ているので、さらっと吹きかけてみます。


にじみは抑えられましたが、全体的にやはり薄い仕上がりに。
理想にはちょっと届きませんでした。

同じ版でステンシルをする
【ステンシル】というのは英語で【孔版】を意味しますので、
シルクスクリーンもステンシルの一種ではあるのですが、多く、インクを含ませた
スポンジで孔版を軽くたたくようにして転写する印刷技法を呼んでいます。

しっかり固定したかったので、枠に張ってみました。
流しにあった乾いていたスポンジでポンポンたたいてインクを落とします。



味のでた、ちょっと理想に近い仕上がりです。


結局シルクで刷っちゃう
結局、シルクスクリーンで欲しいカスレなんかをデザインに盛り込んでデータ作って
刷れば、一番美しく仕上げられるのでは?と思ってしまいました。


せっかくなので、ちょっとカスレるところや、ステンシルシート外にラッカーを及ばせ
シートの形が浮き出る、グラフィティっぽい感じも盛り込んだ 全部のせ デザインに



さすがシルク、めっちゃ細かいところまできれいに出ております…。
カスレやラッカーの薄れた外側の部分などは、網点に変換されています。
中のデザインはシルクで刷って、後でシートでかくして周りの風合いのみ
ラッカーでつけてみたり、の合わせ技も面白いかもしれません◎

シルクスクリーンは「かすれてしまった…」といった事態が起こりがちですが、
案外「楽しみにしていたほどかすれなかった」という声を聞くことも多くあったりします。
今回の結論というわけではないですが、確実にダメージ感など、 味 を出したい場合は、
デザインに盛り込んでおくのが吉です!


■シルクスクリーン製版の原稿の作り方
https://jam-p.com/
■SURIMACCAインク/くろ


----------

JAMLAB

この記事で気になった点や不明な点がある場合は、
こちらからお問い合わせください。
omise@jam-p.com

2020年9月14日月曜日

もこもこ・ツヤプリ・箔プリント!三本立てチャレンジ!

  

8月より始まったインターンシップもいよいよ終盤に。
学生さん達にはJAMでの業務を体験しながら、
自分たちでテーマを決めてシルクスクリーンの実験をしてもらいました。

最後のインターンシップ生のおふたりが今回テーマに選んだのは…

「もこもこインクとツヤプリでビールをプリント」
「ツヤプリを布にやってみた」
「箔もやってみた」

…の豪華三本立てです!

1.もこもこインクとツヤプリでビールをプリント

もこもこと言えば泡。泡と言えばビール!!
ということで、ビールのイラストを用意しました。

試した素材は
・紙 2種(うすめ/厚め)
・トートバッグ
・サコッシュ

さあやっていきましょう~!
まずはビールの泡の部分を刷っていきます。
もこもこインクは熱を加えることでその名の通りもこもこと発泡するインクです。

ヒートガンで熱を加えるとふくらんできます!



ふくらむと白っぽく色も変わって感動です!

もこもこインクで紙に印刷!


紙への印刷は「ホワイトを混ぜたもこもこインク」と「もこもこインク」を比較してみました。

「ホワイトを混ぜたインク」はホワイトインクの比率が多すぎてもこもこ感が少なめの仕上がりに…。
ビールの泡部分が完成したので、次はグラスの中を印刷していきます。
ゴールドインクで印刷した後、ツヤプリパウダーを使用します。

紙に印刷してみたものがこちら ▼


泡部分にもツヤプリの粉がかかってしまい、泡もツヤツヤに
でもいい感じの仕上がりです。
※薄い紙は熱ですこしよれています。

上からホワイトインクでクラスの線をプリントすれば完成です!



ツヤツヤともこもこがはっきりとでていてよい仕上がりです。

2.布にツヤプリをしてみる!

お店でツヤプリパウダーを案内する際は「布にはできませんよ~」と
お伝えしていますが、実際にやってみるとどうなるのでしょう。



このような仕上がりになりました。
紙に比べるとツヤツヤ感もなく、ツヤプリパウダーがあってもなくても変わらない仕上りです…。

ツヤプリパウダーは布にはしっかり定着しないんですね。


3.箔プリントをやってみる!

グラスの中身をゴールドインクの代わりに箔プリントでもやってみました。

まずはホットバインダーという糊をプリントします。



箔をホットバインダーの印刷面の上にのせプレスアイロンで熱を加えます。



しっかりと熱を冷ました後、箔をゆっくりとはがします。



嫌な予感…。




紙がたわんでいたからか、箔がまばらについてしまいました。
トラ柄みたいでこれはこれでかっこいいですね。



もう一枚も失敗です…。渋い仕上がりですね。


今回紙にプリントしたものを並べてみました。
箔プリントについては、もこもこインク部分がしっかり乾いていなかったために、
泡にまで箔がついてしまったことなど、
技術面での反省点がありました。

ゴールドインクで中身をプリントした方は成功です!

そして、布に箔プリントもしてみました。


こちらも失敗…。しかしグラデーションがきれいですね!
そのままグラスの線も印刷しました。



まとめ

・布へのツヤプリは紙ほどの効果はなし!
・箔は失敗…でも、思わぬ柄がうまれて、ある意味成功!

もこもこやツヤプリなどの特殊な効果をもつものや、
いろいろなインク刷る素材、刷る順番などでさまざまな組み合みあわせで、表現の幅が大きく広がります!
思わぬ失敗も予想外の作品を生み出すチャンスに変えられるかもしれません!

----------

JAMLAB

この記事で気になった点や不明な点がある場合は、
こちらからお問い合わせください。
omise@jam-p.com

2020年9月12日土曜日

ちょっと気を付けたいデータについて

 

オンラインお店で入稿する際に、ちょっと気を付けたいデータの事。
よく「これで大丈夫ですか?」と確認するデータをいくつかご紹介します。

★このデータだと【仕上がりの線のフチがガタガタします】




小さな画像を拡大した時や、解像度の低い画像の場合、仕上がりが写真のようにガタガタと仕上がります。
ガタガタさせたく無い場合は、解像度の高い画像に差し替えをおすすめします。
味があって良い!と、問題ない場合はOKです!

★ボックスロゴは、版を張る際に気を付けないとゆがみが目立ちます。


版をフレームにセットする時から、真っすぐ貼るよう気を付けましょう!
ゴムで押し込んでフレームにセットするので、どこか一部に力が入りすぎてしまうと版が伸びてしまいます。
線画よりもベタ面が大きいデザインは十分に気を付けて下さい!

★一つの版に、複数のデータを配置する時は注意!




モチーフ同士の間隔が近すぎると、刷りたくない所までインクが落ちてしまったり汚れの原因になります。
マスキングがしやすいよう、平行に配置してあると、より作業しやすいのでおすすめです!

★マスキングで気を付けたい事。



インクを乗せるザラザラ面からマスキングテープを貼るのはOKです!
裏面に紙を当てて、フレームにマスキングテープで貼るのも◎
気を付けたいのは…




裏側の、つるつる面に直接マスキングテープを貼ってしまうと、テープを取った時に、
版のコーティングも一緒に剥がれてしまいます。
コーティングが剥がれてしまうと、版はダメになってしまうので気をつけてくださいね。
つるつる面はとてもデリケートです!

★グレー部分は網点(ドット)になります。




線の周りにうっすらグレー部分が残っている場合も、同じように網点になります。
小さな孔になるので、インクが詰まりやすくなります。
こまめに版の掃除をしながらインク詰まりに気を付けましょう。
※版の孔の向こう側が見えなくなっていたら注意です!
(孔にインクが残っている状態なので、乾くと目詰まりします。)





★細かい白抜きや、小さな文字は潰れが出やすくなります。





多少潰れても、仕上がりはなりゆきでOK!1枚1枚の違いを楽しみたい!
と、いう場合はそのままで問題ありません。
なるべく均一に仕上げたい!潰れたくない!
と、いう方はしっかりと線の太さをつけましょう。

★サイズが実寸かどうかわからない!調整して欲しい場合




保存の際の設定が原寸サイズになっていないと、大きなサイズで入稿が来る場合があります。
大きなサイズで入稿が来た場合、こちらで縮小する事は可能です。
※小さなデータを拡大するとガタガタになるので再入稿をお願いしています。





サイズの調整を希望される場合は、数字で指示を下さい。
①「データの余白を含めた」状態か、
②「絵柄の端から端が●cm」など、わかるように記載して下さいね。

これからデータ入稿される方で、不安な点があればご相談下さい。
おうちで作業していて困った時などは、お気軽にご相談くださいませ~!

----------

JAMLAB

この記事で気になった点や不明な点がある場合は、
こちらからお問い合わせください。
omise@jam-p.com