2020年6月27日土曜日

布に写真を印刷してみよう!

このJAMLABでも何度か紹介している写真をシルクスクリーンで印刷する方法。
今回は布に写真を印刷する方法をご紹介!

布に印刷…!
紙への印刷とくらべると、正直なところ難しいです!

とりあえず、やってみましょう~。

製版データを用意しよう。


まずは印刷したい写真を用意します。
今回はこちらの写真を印刷してみようと思います。

シルクスクリーンは1色ずつ色を重ねていく印刷です。
そのため、写真のようなフルカラーを再現するためには、
シルクスクリーン用の製版データに変換する必要があります。

ざっくり説明しますと、
フルカラーをC(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(ブラック)の4色に分解し、
1色ずつ印刷していきます。色の重なりでフルカラーを表現するんです。

写真データをシルクスクリーン製版用データにするには
Photoshopなどのソフトで【4色分解】という処理が必要になります。
詳しくはSURUTOCO(東京)のブログにて
紹介しておりますので、そちらをチェックしてみてくださいね!

■シルクスクリーン用4色分解データを作成しよう!
http://surutoco-lab.blogspot.com/2019/01/blog-post_15.html

今回の製版データはこんな感じです。
Mサイズに2版ずつ面付をしています。なので、Mサイズ×2です!
印刷しやすいようにC版とK版は上下逆にしております。

そしてワンポイントアドバイス~!
各版位置合わせ用にトリムマークをつけていますが、
トリムマークと図案のあいだに余白をつくってあげると
あとあとの印刷がスムーズですよ!

版を組み立てよう。

版を組み立てる時、いつも以上の丁寧さが求められます。
写真は4版刷る位置がぴったりあってこそキレイな仕上がりになるので、
ここで雑に組み立てて、版が歪んでしまうと絶対に位置が合いません!

丁寧に丁寧にすすめていきますよ~
(とはいえ、版は手で組み立てるのでどうしても多少のズレは起こります!)

ポイントは版をゴムで留める時、辺の真ん中から外側に向かってローラーを転がすこと!
いきなり力いっぱい押し込むのではなく、徐々に力を入れていくこと!です。

印刷の前に準備をしよう。

印刷の前に布の下準備をします。
布は紙と違い伸縮性があるので、伸びて動いてしまいます。

1色刷ったあと、布がびょーんと動いてしまうと、もう絶対位置は合いません!

それを防ぐために板や、厚紙に布を貼りつけましょう!
スプレーのりを板にしっかりふって、布を貼りつけるように上から押さえます。
まだまだ不安だ!という場合は端をマスキングテープで留めるとGOOD!


トートバッグなどもスプレーのりをふった板を中に入れてくださいね。

そして、今回位置合わせ用につけているトリムマーク、これ、布に印刷したくないですよね…。

なので、一度布の刷りたい位置の上に版を置いてみて、
トリムマークが刷られるであろう位置にあらかじめマスキングテープを貼っておきます。
こうすることでマスキングテープの上にトリムマークが印刷されます!
※白いマスキングテープをおすすめします!


版データを用意するときに、図案とトリムマークの間に隙間を作ってください、と
お伝えしたのはこのマスキングテープを貼りやすくするためですね!
隙間がないと、図案までマスキングテープの上に印刷されちゃった!
なんてことになりかねません。

これで刷る前の準備はOK~!さっそく印刷しますよ!

いよいよ印刷!

今回はY→M→C→Kの順番で印刷していきます。

まずは、Y(イエロー)の版から印刷しますよ!
イエローはSURIMACCAインク【イエロー】を使用します。

今回はMサイズに2版、面付しているので
使用しないもう一版からインクが落ちてしまわないように
マスキングテープで近いところをふさぎます。

先ほどマスキングテープを貼ったところにトリムマークがくるように
しっかり位置を確認してくださいね。


はい、こんな感じ!
黄色のトリムマークがしっかり見えているので、
2版目以降はこのトリムマークで位置を合わせていきますよ!

1版刷り終わるごとにしっかり乾燥させてくださいね。

2色目M(マゼンタ)版を印刷します!
こちらはSURIMACCAインク【ネオンピンク】を使用します。
良い感じです、順調です!
お次は3色目C(シアン)版。こちらはSURIMACCAインク【ブルー】を使用!
C版を刷ると一気に全貌が見えてきますよね~。
いよいよラスト、K(ブラック)版です。
こちらはもちろんSURIMACCAインク(ブラック)でいきますよ~。

はい!完成です!
K版を印刷するとメリハリが出ますよね。

無事布にも写真を印刷することができました~!
最後にトリムマーク用に貼っていたマスキングテープをはがしてくださいね。

しっかり乾燥させるとインクがすこし落ち着いて、よりフルカラーに近い色味になります。

ちょっとおまけ

ちなみに、おまけに黒い生地にも印刷しておりました。
黒い生地に印刷するとこんな感じです。

SURIMACCAインクは水性のため、黒や紺など濃い色の生地に印刷すると、
下の生地の色が透けてしまうので発色が沈んでしまいます。
なので、一番最初に白インクでベタを印刷してしまいましょう!
綺麗な発色で印刷することができますよ◎

最終的な仕上がりはこんな感じです。
白い布・生成色のトートバッグ・黒い布に印刷してみました。
生成色の生地に印刷するとやはり白い布よりは色が沈みますね。
でもよりレトロ感がまして可愛いような気がします!

元の写真とくらべてみるといかがでしょうか。

今回はCMYKそれぞれの版を、
C→ブルー、M→ネオンピンク、Y→イエロー、K→ブラック でやりましたが、
選ぶインクの色でも仕上りの印象は違います。

今回の元写真は空の青が淡い青なので、C→ブルーではなく、
アクアを使うともっと元写真に近い仕上がりになったような気もします。

写真製版とインクの組み合わせは以前JAMLABでも実験しているので、
そちらもぜひチェックしてみてくださいね!
お気に入りのインクの組み合わせを見つけるのも楽しそうです。


4色分解!いろんなインクでフルカラーを再現



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JAMLAB

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こちらからお問い合わせください。
omise@jam-p.com

2020年6月18日木曜日

メタリックインクを作りたい!



インクを混ぜて自由に色を作り出せるのがスリマッカインクの魅力!
今回はラメ入りのインク「シルバー」と他のインクを混ぜると、
メタリックなインクが作れるのか?を実験してみました。

今回使ったインクは

・シルバー(下記3色に混ぜるラメ入りインク)
・ブルー
・イエロー
・ネオンピンク

ラメ入りインクのシルバーを使用するので版は70メッシュ。

版のデータはこちら




土星を2色刷りでキラキラに印刷したい!
ということで早速インクを混ぜていきます。




画像のようにインクを別の容器にそれぞれ入れて調合していきます。
実際に混ぜてみるとシルバーが灰色っぽいインクなので、5:5の
割合だと色見が結構渋めな色合いになります。
(イエローは特にからし色のような雰囲気に)

今回は大体7:3ぐらいの割合で調合してみました。

調合したインクを混ぜたものがこちら








引きで見てみるとメタリック感が分かりにくいのでアップ!







こんな感じです。
インクを混ぜる割合がシルバーよりも他のインクの方が多いので
キラキラ感はシルバー単体に比べると弱めの印象。
光の加減でキラキラするといった印象でした!

そして通常だとラメ入りや白以外の色は下地が黒だと色が沈みや
すい特徴を持ったスリマッカインクですが、今回はシルバーの力
で通常よりも発色が良い印象。なるほど~!これは面白いですね。

そして、かわいい(スタッフは光物好き)

そこまで日差しギラギラな夏が迫っていますので、ぜひ皆さま
ラメ入りインクをお気に入りのインクと混ぜて、ギラギラ日差し
に反射させてみてはいかがでしょうか




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JAMLAB

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2020年6月14日日曜日

はじめてのスリマッカ!製版データ、どんな形式で入稿するの?

スリマッカにチャレンジしたい!

その第一歩となるのが、「原稿作り」。
自分で描いた絵や写真を刷りたいけど、入稿の仕方がいまいちわからない!
という方向けにデータ形式ごとのポイントをまとめてみました。

入稿データの形式は?

データのファイル形式はこちらです。
Adobe Illustratorで作成された「aiデータ」
・Adobe Photoshopで作成された「psdデータ」
・「jpgデータ」
・「pdfデータ」
データではなく紙原稿で作るという方は、紙原稿ももちろんOKです!
データ形式ごとに確認イントがありますが、全ての形式に共通するポイントがこちら。
・原寸サイズで作る
・黒1色で作る
原寸サイズについては、ご希望の製版サイズに収まるように作成くださいね!


まずはこれだけご注意を!
では「aiデータ」・「psdデータ」・「紙原稿」を中心に、それぞれの形式についてご紹介していきます。

☆aiデータ

Adobe Illustratorでデータを作成する方はJAMのホームページからテンプレートをダウンロードして使うのがおすすめです。テンプレートはver.CCになっています。各製版サイズ内におさまるように作ってもらえればテンプレートを利用せずとも問題はありません!

■製版テンプレート
JAMでは「デジタルスクリーン製版機」を使って製版を行います。
機械が黒の部分のみに反応するため、必ず「K100%」で原稿を作りましょう。



見た目が黒い場合もK100%になっていないことがあるので、確認してくださいね!
ちなみに、まっくろ(K100%)以外のグレーデータでは綺麗に製版ができません。ドットのような網点上に製版されてしまいますので注意です!
テキストデータがあるときは「アウトライン化」をしましょう。
そのまま入稿してしまうと、別のフォントに変換されてしまったりする原因になります。
アウトラインは、テキストを選択→書式→アウトラインを作成で完了です!

画像データを使いたい方は、「埋め込み」の設定を忘れずに!
リンク設定だと入稿チェック時に画像が表示されません…。

☆psdデータ/jpg・pdfデータ

Adobe Photshopでデータを作成する方も、JAMのホームページからテンプレートをダウンロードできるのでぜひ活用ください◎原寸サイズでK100%はaiデータと同じです。
Photshopデータの場合は、「画像解像度」の設定を忘れずチェックください!
画像解像度とは、画像のきめ細かさを表したもの。数値が高いほどきれいに見えるデータで、数値が低いほどガビガビとした仕上りになってしまいます。
入稿データは「300dpi~350dpi」程度で保存くださいね。


解像度が粗いデータで印刷するとどうなるか、JAM LABの別の記事でも紹介しています。気になる方はこちらも読んでみてください。
■画像解像度に要注意!
https://jam-lab.blogspot.com/2018/12/blog-post_16.html

jpgデータやpdfデータについても「画像解像度」にご注意ください。お絵描きソフトから書き出した際の設定などで、せっかくのイラストがガビガビになっていたりサイズが小さくなってしまったりすることがあります。
お使いのソフトの設定を確認してデータを書き出してくださいね。

☆紙原稿

紙原稿で入稿される方は真っ白の用紙をご用意ください◎
製版作業時に紙原稿をスキャンします。その際に、色紙だときれいにデータ化できません。
真っ白な紙に黒色で原稿を作りましょう!
消しゴムの消し跡などが残っていないかも確認してくださいね。
鉛筆や線の太さが細いボールペンなどはうまく製版・印刷されないことがあります。
マジックペンのようなはっきりと描けるペンがおすすめです!
紙原稿を入稿する際は万が一の場合があるので、原本ではなくコピーを送ってくださいね!


データ作成のコツは?


シルクスクリーンの特性上、細かい線はかすれてしまうことがあります。しっかりと線を出したい場合は1pt以上がおすすめです!布地にどこまで細かいデザインが刷れるのか、こちらの検証記事もご参考ください。細かい白抜きのあるデザインは、刷る際にどうしても潰れてしまう可能性があるのでご注意を!
■細かいデザインはどこまで刷れるのか
原稿作りでお困りのときは気軽にお問い合わせくださいね。
はじめての方は「SURIMACCAセット」や「おうちでスリマッカ」シリーズがおすすめです。ぜひSURIMACCAでたくさん遊んでみてください!
■JAMオンラインお店


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こちらからお問い合わせください。
omise@jam-p.com

2020年6月7日日曜日

クリアインクを下地に刷ると、濃い生地のインクの発色はどうなるのか?



今回は、「クリアインクを下地に刷ると、濃い生地のインクの発色はどうなるのか?」

を試してみました!




白や薄い色の生地とくらべて、濃い生地にSURIMACCAインクを

使うと色が沈み込んでしまいます。

そこで先に白インクを刷り、その上から色を重ねることで

インクの発色をなるべく損なわないようにしたのがこちらの方法。




今回は白インクではなくクリアインクを先に刷ります。




比較用にホワイトも刷りました。

インクが乾いたら、次に2層目のレッドをズレないように位置を合わせて刷って行きます。




結果の前に、まずはレッドだけを刷った写真をみてみましょう。




なんだかかすれたような仕上がりに…刷った直後はキレイに色が見えるのですが、

乾燥するうちに沈み込んでしまいました。


では、下地にクリアを刷ったものはどうでしょう?




何も重ねていない状態と比べると、色の沈みこみが

マシになったように見えます。

重ねて刷った時に少し位置がずれているのですが、遠目にはあまり目立たないかも。





最後は白にレッドを重ねたバージョンです。

やっぱり赤の発色はこれが一番キレイに見えますね。

ただ、今回乾燥を急いでドライヤーで急に熱を加えたので、

乾燥した時には図形にゆがみが…

そのためズレも目立つ仕上がりになってしまいました。




上から、

『ホワイト+レッド』

『クリア+レッド』

『レッドだけ』

の順で並べてみました。

発色の点ではやはりホワイトに適いませんでしたが、ズレがあまり目立たないのは良い点かもしれません。文字を刷りたい時はすこし大きめにクリアを刷っておけば、多少のズレはカバーできるかもしれませんね。


今回は発色の点にしぼって実験してみました!
次回はこの方法で刷った場合の耐久性などご紹介できればと思います。
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